会員様から

静岡県文花プログラムスペシャルトーク
2018―1
海の国 静岡

会員様から
  
ちょっと地味なチラシに武蔵野美術大学博士・民俗学神野善治(かみのよしはる)氏 と静岡県立美術館館長木下直之氏の対談案内があった。チラシには浮き輪のように見える丸い形の、一見すると昔の石でできたお金みたいなイラストが描かれていた。何だろう。会場はレストラン&カフェ「グランテラス」。グランシップのレストランが講座室に変身しての講演会場だった。50人程が参加していた。
そんなに期待していなかったということもあったかも知れない。でも静岡の海の傍で暮らす人々が、どんな暮らしを営み、どんな文化を築いていて、その為の道具を「美しい道具」と話す神野さんの人柄・声・表情にすっかり魅了されてしまった。すべてが愛情表現だったのだ。神野さんは道具の1つ1つを見つけたときの感動をストレートに話した。そんな風に道具をチャーミングに話す人に私は初めて出会った。最初は昔の絵馬・絵図。豆州内浦のまぐろ漁の絵。湾内で普通にまぐろを捕っている絵だった。多分絵だけを見せられたとしても私の記憶に残らない絵だった。でも神野氏が話した後では、その絵が宝物に思えたことが不思議だった。会場は神野ワールドで洗脳された。
ところで神野氏は現在大学で700人の生徒に民俗学を教えているらしい。成績をつけるのも大変でと言いながら・・レポートで民族と書く生徒がいると嘆いていた。俗と族さえ意識できないことが許せないらしい。私も戸惑った。日常の会話で民俗学と意識してしゃべったことが無かったからだ。
鈴木兼平さんの「焼津漁労絵図」。近藤和船研究所の話。八丁櫓。こちらは私が岡部に住んでいるので身近な話題で、知っている事だったが聞いていて楽しかった。
蟹を捕る道具を古老につくってもらった写真もインパクトを感じた。それに網や針の道具を含めてたくさんの情報発信だった。そしてあのストーンだと思ったのは布で出来ていた。魚を木のたらい桶に入れ、売るための移動のとき頭に乗せるクッションだった。
最近文化プログラムの愛知県での新聞記事を読んだ。演出家、劇作家の野田秀樹さんが監修する「東京キャラバン」で、500人の人が集まり、多様性に富んだ「ゆるゆる」の夏祭りになったとある。前回・今回参加した静岡県文化プログラムの講座の存在はわかったが、文化発信の立ち位置がまだわからないでいる。
 


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2018年10月30日 Posted by県美友の会 at 12:39 │トピックス