会員様からの寄稿
郡山市立美術館

バリー・フラナガン「野兎と鐘」が美術館にたどり着くまでのプロムナードでとっても目立っている。建物と美しい森に囲まれた空間が川のせせらぎに見えるように設計された石達の表情が自然を超えてアートにもなっていた。ただ水が流れていなかった。不思議に思い聞いてみると「本当は水が流れていたんです。でも福島の地震で配管が壊れ・・・石の下にあるものだから、修理にお金がかかるので・・」と地元の人に教えてもらった。地震の影響はこんなところにもあった。
『フジフィルム・フォトコレクション展』日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」の展示会が企画されていた。この企画はフジフィルム(株)創立80周年を記念して収集されたもので、2014年にフジフィルム スクェア(東京)で展示され、その後は日本各地の美術館で巡回しているものだった。「101の私の一枚」。上野彦馬・下岡蓮杖から始まり、私の大好きな写真家たちの選ばれた1枚。立木義浩・篠山紀信・土門拳・荒木経惟・東松照明・森山大道・中村征夫・長倉洋海・林忠彦・植田正治・木村伊兵衛・大竹省二・田沼武能・細江英公・木之下晃・石内都・竹内敏信・星野道夫・田中光常・秋山庄太郎・・たくさんの写真家の作品が輝いていた。101枚の展示の中で、20枚程が私の人生の中で影響を受けた写真家だ。
作品の中で一番ぐっと来たのは星野道夫の作品。龍村仁監督の映画『地球交響曲第3番』で登場して素敵だと心惹かれた人。冒険家でロシアのカムチャッカ半島のテントでヒグマの襲撃を受け43歳で亡くなっている。『夕暮れの河を渡るカリブー(1988年頃)』の1枚のみずみずしい力あふれる生命力の写真に脱帽だ。
またあこがれの写真家は木之下昇さん。音楽写真家としてクラシック音楽の世界を撮影している。演奏シーンなどは胸がきゅんきゅんする。アルフレート・ブレンデルの演奏風景。めがねのレンズにピアノの鍵盤が写り込んでいる。シャッター音を気にする演奏家に近づけるなんて幸せすぎる。
私は子育て中に写真二科の会員になった。県レベルの写真集に作品が掲載されてもいる。初めての撮影会では女性のモデルを撮る体験をした。大勢の男の人達の熱気にびっくりしたが「前に行って撮ればいいよ」と場所を譲ってくれたことも懐かしい。その後の写真ブームでは100人以上も集まる撮影スポットでは場所取りに苦労している。記憶の中では大室山の山焼きに通って、火の上昇気流が起した竜巻を撮って入選した作品がちょっと心に残る自慢の1枚。
たった1枚の作品は運命でしか撮れないのだ。
バリー・フラナガン「野兎と鐘」が美術館にたどり着くまでのプロムナードでとっても目立っている。建物と美しい森に囲まれた空間が川のせせらぎに見えるように設計された石達の表情が自然を超えてアートにもなっていた。ただ水が流れていなかった。不思議に思い聞いてみると「本当は水が流れていたんです。でも福島の地震で配管が壊れ・・・石の下にあるものだから、修理にお金がかかるので・・」と地元の人に教えてもらった。地震の影響はこんなところにもあった。
『フジフィルム・フォトコレクション展』日本の写真史を飾った写真家の「私の1枚」の展示会が企画されていた。この企画はフジフィルム(株)創立80周年を記念して収集されたもので、2014年にフジフィルム スクェア(東京)で展示され、その後は日本各地の美術館で巡回しているものだった。「101の私の一枚」。上野彦馬・下岡蓮杖から始まり、私の大好きな写真家たちの選ばれた1枚。立木義浩・篠山紀信・土門拳・荒木経惟・東松照明・森山大道・中村征夫・長倉洋海・林忠彦・植田正治・木村伊兵衛・大竹省二・田沼武能・細江英公・木之下晃・石内都・竹内敏信・星野道夫・田中光常・秋山庄太郎・・たくさんの写真家の作品が輝いていた。101枚の展示の中で、20枚程が私の人生の中で影響を受けた写真家だ。
作品の中で一番ぐっと来たのは星野道夫の作品。龍村仁監督の映画『地球交響曲第3番』で登場して素敵だと心惹かれた人。冒険家でロシアのカムチャッカ半島のテントでヒグマの襲撃を受け43歳で亡くなっている。『夕暮れの河を渡るカリブー(1988年頃)』の1枚のみずみずしい力あふれる生命力の写真に脱帽だ。
またあこがれの写真家は木之下昇さん。音楽写真家としてクラシック音楽の世界を撮影している。演奏シーンなどは胸がきゅんきゅんする。アルフレート・ブレンデルの演奏風景。めがねのレンズにピアノの鍵盤が写り込んでいる。シャッター音を気にする演奏家に近づけるなんて幸せすぎる。
私は子育て中に写真二科の会員になった。県レベルの写真集に作品が掲載されてもいる。初めての撮影会では女性のモデルを撮る体験をした。大勢の男の人達の熱気にびっくりしたが「前に行って撮ればいいよ」と場所を譲ってくれたことも懐かしい。その後の写真ブームでは100人以上も集まる撮影スポットでは場所取りに苦労している。記憶の中では大室山の山焼きに通って、火の上昇気流が起した竜巻を撮って入選した作品がちょっと心に残る自慢の1枚。
たった1枚の作品は運命でしか撮れないのだ。