会員様から

「美術は人間の友達になれる」と北川フラム氏は話す     

「美術は人間の友達になれる」と話す71歳の北川フラム氏。
《続・アートで開く地域の可能性》のちらしを見つけ島田市市民活動センターでの講演のフラム氏に会いに出かけた。入り口で彼の仕掛けた「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2018」の案内をもらった。今年がそうなんだ・・大地の芸術祭は2000年からなのでもう7回目になるのかと仕掛けの裏話に興味があった。私も以前出かけたことがある。過疎高齢化の進む日本有数の米どころの美術の芸術祭。かなりの距離で飛び飛びで存在する作品達に会いに、あちこちの展示場所にたどり着く道の両側に黄金色の稲穂が美しかった。見た目では稲刈りをしてもいいと思うほどの首を垂れた稲たち。光る稲穂がシンボルの芸術祭。どの田んぼも稲刈りをしてなく・・地元の人たちは稲を残すことで、稲穂の波そのものをアートにしたのか。何日か滞在した。広いエリアのこのイベントを成功させたフラム氏はどんな人なのかその時から興味があった。
 話はその越後妻有芸術祭で動くお金のことから始まった。「2015年では総事業費6億2000万で、地元からは3年間で1億。補助金は2億3000万。寄付・協賛金では1億3000万。入場料・グッズ収入など・・・。アートの出発点は個人的なものだし、少なくても直接的には何の役にもたたない、そのぶん害もない。でも目立つから批判の対象になりやすい。そうすると問題が炙り出される。課題が見えてくる。そして前進する。壁を越えていける。」と一気に語った。「アートは地球上74億人がそれぞれ違う個性である現実そのものです。アーティストは過ぎ去った時間の積層を掘り起こし同時代のささやかな意見を表明し、未来への不安、予感を生理的に表すものと考えている。皆違う人が生きている。生きていけることのためにアートは重要な役割がある」と語った。
続いて石川県の「奥能登国際芸術祭」の仕掛けの中身の紹介に移った。開催地の議会対策・資金集め・作品設置のエピソード。自宅に石川県の関係者が日参して何度も何度も口説かれてと話す言葉にフラム氏の優しさと才能、そして取り組みながらアイデアを形にしていく喜びを感じて取り組む素敵な雰囲気を持っている人だと思った。
島田では丁度無人駅での芸術祭を仕掛けていて、講演前にフラム氏はその仕掛けを見てきたと語っていた。会場には県立美術館友の会の会報誌「プロムナード」で取材させていただいた作家達の何人かにあえた。作家も芸術祭仕掛けの成功の秘訣には興味があるのだろう。無人駅のアートでは作家達が仕掛けている感じだった。まだまだ規模は小さいが地元の夏池氏が大学教授でしかもアーティストとして参加し仕掛けている感じ。セルフプロデュースでそれはそれで楽しくイベントを仕掛けられるのではとも思った。フラム氏の言葉で心に残ったのは「アートを道しるべで里山をめぐる旅」「作品としては祭りでやりたい」と畳み掛ける話で頷いた私だった。


同じカテゴリー(トピックス)の記事画像
実技講座申込受付中
白井嘉尚個展 はじまりは否定の否定 道なき森のなかへ
「ボタニカルア-ト作品展」のご案内
柳沢紀子氏展覧会のお知らせ
第7回 永野節子ボタニカルア-ト展
展覧会のお知らせ
同じカテゴリー(トピックス)の記事
 実技講座申込受付中 (2025-01-28 09:54)
 白井嘉尚個展 はじまりは否定の否定 道なき森のなかへ (2024-11-15 11:19)
 「ボタニカルア-ト作品展」のご案内 (2024-03-21 14:12)
 柳沢紀子氏展覧会のお知らせ (2024-02-22 09:22)
 第7回 永野節子ボタニカルア-ト展 (2023-09-21 09:21)
 友の会会員フロアレクチャー (2023-08-15 09:26)

2018年04月20日 Posted by県美友の会 at 11:29 │トピックス