会員様から

佐川美術館            
「生誕110年 田中一村展」


日曜美術館で「田中一村」の作品を見た時衝撃を受けた。いきなりファンになった。今から34年前のことである。タイトルは「黒潮の画譜~異端の画家田中一村」きっと日本中の田中ファンが生まれた瞬間なんだろう。その後一村出身地の千葉市美術館にも作品展を観に出かけている。
独特の画風で日本のゴーギャンと言われているが、晩年の写真では痩せたおじさんの姿。お宝の番組「出張なんでも鑑定団」で今月7月に奄美からの放送があった。田中一村氏が染色工として歩いていた姿を見かけていた人の登場だった。当時は学生だと言っていた。鉛筆で描いた親戚の夫婦の肖像画をお宝として出したのだ。丁寧に描いてありA4位で大きくなかった。会場舞台では一村のトレードマークになったステテコ姿で誰かが歩いていた。会場には笑いが起きていたが、温かみのある笑いで、リスペクトされている様子が伝わった。
箱根にある岡田美術館もやはり「初公開 田中一村の絵画―奄美を愛した孤高の画家」で展覧会をやっている。・白花と赤翡翠 ・熱帯魚三枚 ・あじさい など。同時期での展覧会。一村人気は凄い。
3年前佐川美術館を初めて訪れたときに水を湛えた入り口の景色にびっくりしたことを思い出す。サライ7月号に佐川美術館の一村の特集が載っていたので買ってみた。・初夏の海に赤翡翠(あかしょうびん) ・菊図 個人蔵 ・蓮図 奈良県立万葉文化館蔵 ・忍冬に尾長 個人蔵(田中一村美術館寄託) ・枇榔樹の森に崑崙花 田中一村美術館蔵 ・アダンの海辺 個人蔵(千葉市美術館寄託) ・クロトンと熱帯魚 田中一村記念美術館 がとりあげられていた。静謐な画面の本物に会いたいなと思った。
暑い夏の展覧会でも入館者は多かった。毎日千人ほどの人が一村の作品に会いに来ていると知った。作品数は180点。一度にこんなに沢山の絵に会えて幸せだ。その中でやはり 初夏の海に赤翡翠 の前には人だかりが。
私は7歳の時の「菊図」が一部破れていても現存されていたことが凄いなーと思った。愛されていなければ作品が残るなんて考えられない。千葉時代の作品で「椿図」の屏風も心に残った。二曲一双で右隻にはあでやかな椿。左隻は金箔が貼ってあるだけだった。「落款が無いのでもしかしたら未完成かも・・」と学芸員は話していた。そんな作品にも出会えて嬉しかった。また「NHKでの放映が5日後に決まっていて、1.5倍の入館者数になるので、混雑前の今日来られて良かったですね」とも話していた。


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2018年09月11日 Posted by県美友の会 at 10:19 │トピックス