会員様から

林叟院 と スティーブ・ジョブズ
1498年に明応の大地震があり、焼津の『林叟院記録』に・・「而溺死者大凡二萬六千人也 林叟之旧地忽変巨海也」と記されているお寺を訪ねた。今騒がれている地震。過去の南海トラフ巨大地震に類似の地震を察知した高僧の助言で、焼津の海の傍にあった寺を今の坂本に移し天災から助かったお寺である。小雨の中林叟院に向かう道には美しく咲くアジサイの色彩に溢れていた。有名な長谷川平蔵(池波正太郎鬼平犯科帳で知られているが、実在人物は江戸幕府の役人で、火付盗賊改役)の祖先の法栄長者(長谷川政宣)の墓があり、この林叟院はその当時法栄長者が建てたものだ。
本堂では法事が行われていたので、左横の池の見える部屋にいると、鈴木抱一住職がすーっと入ってきて話し始めた。
「昨日、岡山県禅寺洞松寺で座禅の仕事をして帰ってきたばかり。今は坊さんの7割が外国人。15分の話をすると英語で通訳、それからフランス語で。朝は皆おかゆを頂いて・・」
私が抱一住職と知り合ったのは、もう30年以上前。寺の中庭で「土の虫」の会の陶芸家たちが作品を売っていた頃。陶芸家のプロの知り合いがたくさんできたのはこの時で、人気のある会だった。
「古い文字で佛という言葉はめざめるという意味ですが、仏教が日本に入ってくるとき、音としての佛=ブッダが入ってきたんです。めざめる、悟るという意味です。座禅堂で大きな宇宙と私たちは離ればなれではないと感じてほしい。自分は27歳のときから住職で52年経ちました。でももうちょっとやらしてもらいます。」
住職のお父さんは、サンフランシスコで禅を広めた鈴木俊隆(1905~1971)氏。27歳でタイム誌の表紙を飾ったスティーブ・ジョブズにも影響を与えた人で・・56歳でジョブは死んじゃったけど・・禅を学んでいたのだと話していた。瞑想をして自分探しをしたとのことだった。
帰りに植木の地中に隠れて咲くきのこのレースだけを見つけた。とても綺麗で生まれて初めて見た植物。きのことジョブズの話が心に強く残った林叟院だった。
会員様から



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2018年09月27日 Posted by県美友の会 at 10:24 │トピックス