会員様から

いわき市立草野心平文学館
会員様から
草野心平の声で詩が流れる。あの懐かしい富士山の詩。小学校時代に教科書に載っていて大好きな詩。

少女たちはうまごやしの花を摘んでは巧みな手さばきで花環をつくる。
それをなわにして縄跳びをする。
花環を描くとそのなかに富士がはいる。
その度に富士は近づき。
とおくに座る。

耳には行行子(よしきり)。
頬にはひかり。

詩を聴きながら、レンゲの花を集めて編んで縄跳びをしたことを一枚の絵のように思い出す。私の住む地域の田圃ではうまごやし(シロツメクサ)はなくて、レンゲの花だった。その場所からは富士山も見えなかったけれど、心平さんの詩のイメージが遊びの中にいつもあった。
本物の心平さんに会ったのは高校時代。東京での講演会に出かけて行った時。着物姿でゆっくり壇上に現れ、開口一番「お酒が残っていますが・・」と語りはじめた。当時の私はそれだけで・・さすが詩人!と思ってしまった。そんなことも懐かしく思い出す。その後、高校時代には私も詩も書いた。詩人に憧れていたのだ。校内発行の文学雑誌にも投稿していた。
たどり着いた小高い丘にとんがり帽子のようなかわいい小さな建物が記念館だった。スイッチを押すと心平さんの声で詩が流れる空間があり、ためらわずにたくさんの詩の選択スイッチの中から富士山を押した私だった。『火の車』という飲み屋を経営していて・・詩では食べていけない現実があった。建物の中にその『火の車』が復元されていて、昭和の時代にタイムスリップした。飲み屋の椅子に座って幸せな時間をしばらく過ごした。



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2018年12月06日 Posted by県美友の会 at 11:54 │トピックス