会員様からの寄稿
福島浪江町を走る

平成最後の30年11月にマイクロシーベルトの数値が表示されている国道6号線を走った。①窓は開けてはいけない。②車の中の空気は車内循環に切り替える。その2つを守って走った。大きな交差点の所々に監視の人が立っていた。家々はどの家も道路から入れないように、灰色のパイプでバリケードされていた。窓ガラスが割れていて雨が吹き込んで廃屋に近い家もあれば、きれいに保たれて人が住んでいそうに見える家もあった。でも道路の表示版は「帰還困難地域」となっていた。元気な人も自分の家で暮らせない現実の光景だった。
走ったのは晩秋で、樹木の葉たちだけが美しく紅葉していた。目に見えない放射能という魔物は・・・人間を混乱させたが、自然の中の樹木は混乱も無く美しかった。見えない放射能のことを知らされていなければ、平安時代の人が感じたその美しさにもののあわれを感じたように美しかったのだ。でも私の心はあわれを哀れと変換していた。人間の悪意の無い愚かさの結果なのだと感じた。
福島第一原子力発電事故は2011年3月11日。毎年その日になると、テレビから流れる慰霊の映像と共に手を合わせる。事故は地震が原因で、しかも東北の津波では沢山の人が海に流されている。私の弟の死も海に流されているので、すべてが繋がってしまう。人々のそれぞれの想いはそれぞれだと感じるけれど、生き延びている人達の心の哀れは底辺では一緒だと思うのだ。考えたり、感じたり、話したりするだけで涙が溢れる。それでも生き延びた人間は・・魔物とも戦えないで、日々を過ごしている。
実は・・ドライブをもっと楽しく!と書かれた Highway Walker11月号の冊子を常磐自動車の中郷SAで手に入れた。表紙のモデルは福士蒼汰。そんな普通の情報誌なのに・・いわきJCTを通り常磐富岡ICで高速をおりるとき、東北エリアマップ中でピンク色のエリアがあり・・それが帰還困難区域(区域内原則通行不可)エリアの表示だった。自動二輪、原動機付自転車、軽車両及び歩行者については通行できません。と書かれていた。地図の中に普通に書かれていることが・・確かに大切な情報だったけど受け入れにくかった。こんなピンク色の地図表示はいつになれば消えるのか・・と考えながらも走った。
平成最後の30年11月にマイクロシーベルトの数値が表示されている国道6号線を走った。①窓は開けてはいけない。②車の中の空気は車内循環に切り替える。その2つを守って走った。大きな交差点の所々に監視の人が立っていた。家々はどの家も道路から入れないように、灰色のパイプでバリケードされていた。窓ガラスが割れていて雨が吹き込んで廃屋に近い家もあれば、きれいに保たれて人が住んでいそうに見える家もあった。でも道路の表示版は「帰還困難地域」となっていた。元気な人も自分の家で暮らせない現実の光景だった。
走ったのは晩秋で、樹木の葉たちだけが美しく紅葉していた。目に見えない放射能という魔物は・・・人間を混乱させたが、自然の中の樹木は混乱も無く美しかった。見えない放射能のことを知らされていなければ、平安時代の人が感じたその美しさにもののあわれを感じたように美しかったのだ。でも私の心はあわれを哀れと変換していた。人間の悪意の無い愚かさの結果なのだと感じた。
福島第一原子力発電事故は2011年3月11日。毎年その日になると、テレビから流れる慰霊の映像と共に手を合わせる。事故は地震が原因で、しかも東北の津波では沢山の人が海に流されている。私の弟の死も海に流されているので、すべてが繋がってしまう。人々のそれぞれの想いはそれぞれだと感じるけれど、生き延びている人達の心の哀れは底辺では一緒だと思うのだ。考えたり、感じたり、話したりするだけで涙が溢れる。それでも生き延びた人間は・・魔物とも戦えないで、日々を過ごしている。
実は・・ドライブをもっと楽しく!と書かれた Highway Walker11月号の冊子を常磐自動車の中郷SAで手に入れた。表紙のモデルは福士蒼汰。そんな普通の情報誌なのに・・いわきJCTを通り常磐富岡ICで高速をおりるとき、東北エリアマップ中でピンク色のエリアがあり・・それが帰還困難区域(区域内原則通行不可)エリアの表示だった。自動二輪、原動機付自転車、軽車両及び歩行者については通行できません。と書かれていた。地図の中に普通に書かれていることが・・確かに大切な情報だったけど受け入れにくかった。こんなピンク色の地図表示はいつになれば消えるのか・・と考えながらも走った。