会員様からの寄稿

宇津ノ谷隧道群
土木遺産に認定
銭取トンネルは日本で始めて

会員様からの寄稿

「土木遺産」という言葉を初めて知った。土木遺産は幕末から明治初期に完成した近代土木遺産の保存やまちづくりへの活用を目的に、土木学会が認定するものらしい。そして宇津ノ谷隧道群が認定された。
私の住む岡部に有名な明治のトンネルがある。明治のトンネルは賃撮りトンネルとしてスタートした。また明治、大正、昭和、平成の各時代に建設されたトンネルが通行可能な状態で存在している。日本でも珍しいのだ。そういうことが評価された結果だという。そのトンネルが平成30年11月に近代土木遺産(Modern civil engineering heritage )に認定されたのだ。
文明開化の波が道路にも押し寄せ、車(人力車・荷車)の通れる道の開拓が行われるようになった。岡部宿の杉山喜平次・仁藤延吉や丸子宿の水谷九郎平など7人は、静岡の宮崎総吾を総括として測量は焼津の数学家古谷道生が担当し、石工人頭には山崎伊十郎を当てて工事に取り掛かった。ここの渓谷は小規模だけど地形が急峻な為、難工事だったらしい。そして明治9年に「宇津ノ谷隋道を東海道本道にとする」布告がでて、昭憲皇太后が通った。
大正トンネルが出来るまでの55年間、
日本の陸上交通における大動脈としての役割を果たすことになる。
道銭 
人1人      6厘
荷場1疋     1銭2厘
駕籠1挺     1銭5厘
大荷車      3銭2厘
小荷車      2銭1厘
お金を取ってトンネルを通ったのだ。
 岡部に住んで間もない40年前トンネルの中は水溜りが出来ていた。ごみも散らかり放題で汚かった。どんなところかと通ってみたい好奇心があっても1人では怖くてやめたことがある。ただ暑い夏はトンネルの中は少しヒヤッとして気持ち良かったことは思い出す。   
それがトンネルの中で展覧会をやってみたいという人が現れる環境になった。他には水窪の峠で有名な国取り綱引きみたいに、静岡と藤枝でとりっこの綱引きの案も浮上している。まだ実現はしていない。許可のハードルは高いらしい。東海道の発展に役立った古道が別の生かされ方になるのもアイデア次第なのか。


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2019年02月15日 Posted by県美友の会 at 13:19 │トピックス