会員様からの寄稿

小野小町(おののこまち)の姿見の橋
会員様からの寄稿

岡部に「小野小町姿見の橋」がある。知ったのは観光ボランティアになった時。こんな小さな橋が有名なのか・・と不思議に思ったり、本心では作り話かもと思ったりした。でも絵入りで地元の観光用パンフレットにのっていて、その橋の傍に石で作られた案内板もある。
岡部の昔話を要約すると〈晩年に東国へ下る途中、岡部宿に泊まった。その時、この橋に立って下を流れる川の水面に自分の姿を映し、長旅で疲れた自分の姿を見て、過ぎし日の面影を失ってしまった自分の老いを嘆き悲しんだ〉という内容。
花の色は 移りにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに

小町の歌からイメージを広げた物語かも。
ボランティア案内には工夫を凝らさねばと思ったがなかなか良い案が浮かばなかった。まず小野小町の姿をインターネットで探してみた。十二単を着た絵が存在した。そこで浮かんだアイデアは・・羽織を着て「小町は水に映る自分の哀れな姿におよよと泣いた」と言いながら泣き崩れるシーンを思いついた。本番では自前の羽織を数着用意した。まず私が演じて見せた。続いて観光客に羽織を選んで着てもらい、同じように演じてもらった。
周りの応援団に笑いがおこり、楽しんでいただけた。写真を撮る人もいたので良い思い出になるといいなーと思っている。
小野小町の伝説は日本のあちこちにある。それも本当に不思議。股のぞきで有名な天(あまの)橋立(はしだて)で、小町が着物のすそをめくって小用をした時偶然目にした絶景が天橋立。その後股のぞきがはやったと聞いていた。私も股のぞきを体験したが光に輝く美しい風景が目に残っている。小町は晩年に都を離れ天橋立を目指し五十河(いかが・現在の京丹後市大宮町)で亡くなり、小町の墓と伝えられる小町塚や、小町が開基した妙性寺(山号を小町山という)があり、一帯は小町公園になっている。でも小町のお墓は日本に10ヶ所以上もあるのだ。私には何が真実かはわからない・・・。   
西行法師と小野小町伝説の多さは何故なのだろう。当時の人々は有名な人の顔を知るすべが無い。ただ名前は伝わっていただろう。ヒーローやヒロイン。そんな名前を使って、岡部の人も説得力のある物語をつくったんじゃないのだろうか。日々の暮らしにスパイスを!!!!なのか? 小町がこの岡部を歩いたことを想像するだけでも優雅な気持ちになる。


同じカテゴリー(トピックス)の記事画像
実技講座申込受付中
白井嘉尚個展 はじまりは否定の否定 道なき森のなかへ
「ボタニカルア-ト作品展」のご案内
柳沢紀子氏展覧会のお知らせ
第7回 永野節子ボタニカルア-ト展
展覧会のお知らせ
同じカテゴリー(トピックス)の記事
 実技講座申込受付中 (2025-01-28 09:54)
 白井嘉尚個展 はじまりは否定の否定 道なき森のなかへ (2024-11-15 11:19)
 「ボタニカルア-ト作品展」のご案内 (2024-03-21 14:12)
 柳沢紀子氏展覧会のお知らせ (2024-02-22 09:22)
 第7回 永野節子ボタニカルア-ト展 (2023-09-21 09:21)
 友の会会員フロアレクチャー (2023-08-15 09:26)

2019年06月25日 Posted by県美友の会 at 13:38 │トピックス